何十年ぶりかという勢いで東京に降りまくる大雪を眺めながらしゃもじ隊は考えていた。もしかしてこの局面で街中にしゃもじを配ったら大衆はここぞとばかりに『しゃもじが雪かきに結構使えるらしい』と色めき立ち、果ては7時のNHKニュースに取り上げられるのではなかろうか…もうそうなったらもはやこっちのもので、連日テレビにしゃもじ隊が出ない日はなく、ジャパネット高田ではしゃもじと掃除機とスーパーはぼきの3点セットが何と奥さん7980円でお願いします!という大ブーム到来なのか。いつもお値段を言う高田社長が『⚫︎⚫︎円でお願いします!』というが、何をお願いしているのだろう。値段とは消費者にお願いするものなのだろうか。そのお願いを聞き受けられない人はどうすれば良いというのか。歯がゆくて涙がちょちょぎれそうです。
とまぁそんな究極的にどうでもいい話は置いておいて大雪の最中に訪れたのはこちらの『VINOIR』さん。青山一丁目から乃木坂方面に歩くと現れるお店です。何せこの天候だ。むしろしゃもじ隊にとっては千載一遇。人生は常に逆張りだぜ!人気のお店に行くにはうってつけの環境だとばかりにしゃもじで雪をかき分け一路ランチへ!
店内に入ると予想通りお客はほぼ居ない13時前。普段は恐らくかなりの混雑ぶりであろう。ビバ雪。
さぁてと。着席してメニューを吟味。特に前情報があったわけではないが、鶏が食べたかったのとハンバーグいいよねということでアッサリ決定。前菜は含まれてます。
ほどなく前菜登場。おぉぉ、前菜は5品ほど結構な量で盛られたワンプレート。見た瞬間に顔を見合わせナチュラルアイコンタクトをするしゃもじ隊。そう、この前菜を見て今まで押さえていた想いがほとばしる。『ワインのみてえ…』オニーサーン!ワインリストを奪い取り凝視。おぉ…ランチのグラスワインが400円じゃない。他にも赤白それぞれ何種類かのグラスでのラインナップ。やるねぇ…
ということでランチワイン。うひひ。
前菜はなかなかの好みな味つけ。何というか家では出せないこの美味しさ。前菜はやはり盛合せに限る。もう何か盛合せてあるだけで世界が平和になりそうな気がしてくるから不思議だ。
そしてこちらの前菜がそうであるように、前菜とはメインの一皿へと食べる側をいざなう交響曲第一楽章であり、この味わいの旋律が素材を変えて別な一皿に変化していく。違う料理ではあるがメインを食すとそこに流れる前菜と同じ感性を感じられる。その瞬間にシェフの力量を感じ入ることができるのであり、そこにプロの主張と誇りを感じるフロイデシェーネルな第九@ベートーベン。あぁ…たまには食べ物の批評らしいカッコイイ文章を書こうと思ったのだがどうしてもボケずにはいられないこの性癖…
さあきた!鶏のローストクリームソースとハンバーグ。鶏さんはかぐわしい香りが。そしてハンバーグ!丸っこい!まさしくその姿は爆弾岩!いつボカーンってなるかわからないあのスリル!懐かしい!とドラクエを引き合いに出すとなんだか怒られそうだが見た目の印象はとても良いです。
鶏のローストだが。これはアレですよ奥さん。相当美味い!カリッとした表面の香ばしさにクリームソースのしつこくない複雑な味わい。美味しさが何層にもなっている感じで『鶏料理界のウエハース状態や〜』と彦摩呂が店の奥から飛び出してきそうな逸品。
ハンバーグもナイフを入れると肉汁がじゅわわ〜と溢れ出てきて『肉汁界の熱投!甲子園状態(もういいか…
ハンバーグに敷き詰められたマッシュポテト(かな…)もまた美味。ソースもまた見事なり。
ということで調子に乗って食後のコーヒーも頼んじゃいます。コーヒーの香りをかぎつつまとめようではないか。
いやー何というか実力派なお店。これもよく書いていることだが、ランチでそのお店の力量をはかるのは結構難しい。がしかし、稀にこうしたほとばしる実力派ランチに出会えるとミニしゃもじが乱れ飛んでしまうわけだ。しかもこのランチセットが980円ならコスパ抜群。スタッフ皆に行き届くだけのしゃもじをレジに置き満足感をポッケに忍ばせ店を出るしゃもじ隊。
ごちそうさまでしたー